彼は不死の能力を手に入れた。 その数年後、核戦争が起こり人類は滅亡した。 残されたのは彼だけ。 彼は能力を恨み、自らを殺めようとした。 が、能力が邪魔して死ねない。 そんなある日。 向こうから一人の女性が歩いて来た。 「…Read More »

背後で気配がした。 えぇ……マジで？ ひとりじゃ捕まえられないよ。 なんでアレって音とかしなくても、気配を感じるんだろ。 殺虫剤って、この部屋にあったかな？ 逃すのもイヤだし。 捕まえるのもイヤ。 憂鬱だなぁ。 まぁ、仕…Read More »

「また誤配か……」 郵便受けを覗き、舌打ちをする。 近ごろ誤配が続く。手紙の送り主は、筆跡からすると女性のようだ。何より不可解な点がある。これは隣の家に配達されるべき手紙の誤配なんかじゃない。宛先も宛名も書かれていない。…Read More »

特殊能力を持つ青年。 幼い頃から秘密部隊に参加し、能力を遺憾なく発揮した。 例えば、時を遅らせる能力。 今宵も任務だ。 ある男に向け悪党が銃を放つ。 彼は時を遅らせる。 スローモーションになる弾丸。 「右によけろ！」 彼…Read More »

お化け屋敷でのアルバイト初日。 暗闇で人を脅かすのは、なかなか快感だったな。 閉館時刻になり控室に戻る。 「おつかれさま！」 先に戻っていた先輩が声をかけてくれた。 談笑しながら寛ぐ。 「あれ？　他のスタッフの人たちは？…Read More »

30年。 苦慮し続けた。 謝罪せねばと。 彼には本当に酷いことをしてしまった。 いつか心から詫びねばと。 その時は訪れた。 番組の企画に応募して実現した。 対面の時。 司会者が叫ぶ。 彼が登場する。 「本当にすまなかった…Read More »

「真実を伝えていい？」 男は伏し目がちに言った。 「なに？」 「実は俺、死んでるんだ」 「どういうこと？」 「君の目の前にいる俺は──霊ってこと」 呆然とする女。 「もう消えなきゃならない」 「イヤだ！　離れたくない！」…Read More »

人生をすっきり断捨離。 要らないものは全て捨てた。 「あとはアレだけかぁ」 ひとまず休憩。 女はすっきりした部屋を眺めた。 「ただいま」 男が帰宅。 と同時に霊媒師が祈祷を始める。 部屋に棲みつく地縛霊。 女は除霊を依頼…Read More »

若い女がタクシーに飛び乗ってきた。 「運転手さん！」 女は声を荒げる。 「後ろの車に尾けられてください！」 は？ 普通、前の車を尾けるのでは？ ３分ほど走ると後続車は左折し、姿を消した。 聞けば彼女は売れないタレント。 …Read More »

作家の男はあるシーンの描写が思い浮かばず苦悶した。 もっとリアリティを追求したい。 常に拘って執筆してきた。 「仕方があるまい……」 小さく呟くと、包丁を手にした。 己の腹を見つめる。 一息に突き刺す。 「ぎゃぁ！」 男…Read More »