トイレットペーパー72ロール。 ティッシュペーパー30箱。 カップラーメン50個。 シャンプー、リンス、ハンドソープ。 そして、最新のゲーム機。 警察は読み上げた。 「犯人が盗んだクレジットカードで購入した商品です」 被…Read More »

雪を見たことのない子供たちを喜ばせたい。 男はあることを思いついた。 そうだ！　空から綿菓子を降らそう。 まるで雪のような綿菓子に子供たちは喜んだ。 とてもキレイで、とても甘い。 笑顔ではしゃぐ子供たち。 その裏で男もは…Read More »

まさか、こんなことになるなんて思ってもみなかった。私は歯を擦り合わせ、固く目を閉じる。目尻からは涙が垂れる。部長の手がスカートの中から潜り込んできた。ひんやりとした給湯室。ゴツゴツしたガサツな指が、下着に触れ、うごめく。…Read More »

ある夜、男の元に悪魔が現れた。 「人間よ、交渉だ」 男は恐怖に震えた。 「お前の望むものをやろう。ただし条件がある──」 緊張で唾を飲む男。 「お前の記憶と引き換えだ」 男はそれを聞くと安堵し、「どうぞ」と答えた。 「記…Read More »

新聞配達の少年は、ある犬が気がかりだった。 配達先の民家。 いつも腹を空かせている飼犬。 少年は餌を持参し、配達のたびに犬に食わせてあげた。 犬は少年が来ると喜んだ。 ある日、少年は犬に言った。 「もう配達には来られない…Read More »

そうか。 奴らも大変なんだな。 自粛。 延期。 キャンセル。 いつも浮かれて騒いでるのに、姿を見ないからおかしいと思ったんだ。 そういう理由があったのか。 仕方がない。 頬を赤く染めて陽気に騒ぐ。 そんな姿を見たいから。…Read More »

〈宇宙に巨大プール建設〉 主要国の発表に、「宇宙でリゾート気分が味わえる！」と国民は興奮した。 そう思ったのも束の間、追加の情報が発表された。 宇宙に飛び立つのは人間ではない、と。 やがて、無人のロケットが地球から飛び立…Read More »

この扉の向こうに王妃が眠っている。 あとは扉を開く呪文を唱えるだけだ。 これで彼女を救える。 あっ！ 勇者は呪文をド忘れしてしまった。 記憶を辿り、試してみる。 失敗。 もう１度。そしてもう１度。 「異なる呪文が３回唱え…Read More »

電車の到着を告げるアナウンスが鳴り響く。 「僕は銀河へと帰るね」 手を振る少年。 少女の目には涙が溢れた。 ホームに電車が滑り込み、少年は背を向け歩き出す。 「あっ」 到着した電車は通勤特急。 仕事を終え、銀河に帰る乗客…Read More »

女は愛おしそうに呼びかけた。 ねぇ。 返事がない。 悪い予感が胸を突き刺す。 ──もしかして、さよなら？ ねぇ、聞いてる？ 甘えた声で呼びかけても返事がない。 いつもそばにあった声。 いなくなったの？ 死んじゃったの？ …Read More »