世界中で奇妙な現象が起きはじめた。 人間の身体から花が咲き出したのだ。 「悪い毒に感染したに違いない！」人々は叫ぶ。 学者は研究を急ぎ、ある答えに辿り着いた。 「これは地球の仕業だ……」 地球自身がより美しくなるため花を…Read More »

「えーっとですねぇ、男の女と呼ばれる２種類の生き物がいますねぇ」 店員の説明に耳を傾ける客。 「地形が隆起した山と呼ばれるものと、広範囲に水をたたえた海と呼ばれるものがあります」 「なるほど、他には？」 「火星からも近く…Read More »

〈利用の際は事前申請のうえ、審査が必要です〉 「せっかく発明されたのに……」 審査に通過する者はほとんどいなかった。 誰もが憧れたタイムマシン。 皆が自由に時間旅行するようになると、歴史の真実が次々と暴かれた。 不都合に…Read More »

「おぉ！」 ボタンを押す。すると、とめどなく流れるドリンク。 「これがドリンクバーか!?」 画期的だった。 わざわざ求めに行かなくとも、いともたやすく手に入る。 喉を潤せるし、栄養分も摂れる。 何より、身体中が満たされる…Read More »

敵国、すなわち悪を滅ぼすロボットが開発された。 ロボットは博士に問う。 「我々にとって彼らは悪だが、彼らにとっては我々が悪なのでは？」 頭を悩ませ考え込むロボット。 「悪の定義をインプットしてくれ」 博士は言う。「悪とは…Read More »

「好きな子ができたんだけど――」 少女は鏡に映る自分に問いかけた。 「彼から見たら、私ってどう見えてるのかな？」 鏡から勢いよく手が伸び、少女の喉を掴む。 少女の身体は鏡の中へ飲み込まれた。 鏡は怪しい光を放ち、「ごらん…Read More »

「おっ」 男は雑誌の隅にある〈まちがいさがし〉に目を留めた。 暇つぶしがてら取り組んでみることに。 まちがいの数は８個。 何度探しても最後の１つが見つけられず諦めた。 モヤモヤしたまま、答えが掲載される次月号を待った。 …Read More »

夏の終わりが近づき、過ごしやすい日も多くなった。 縁側に腰かけてぼんやり。 ふわふわ。 手のひらに飛来してくるもの。 たんぽぽの種子だ。 綿毛をつけた種子たちは、風に乗って、また別の場所で芽吹く。 「わたしにくっついても…Read More »

寒空の下、肩を寄せ合い、人々は温め合っていた。 そこに現れたのは、マッチを手にした少女。 「マッチいりませんか？」 「マッチ？」 「この火のことよ」少女は灯りを指差す。 「それは何に使うの？」 「暖を取ったり調理に使った…Read More »

そこは魔王を倒す冒険を続ける者たちが集う酒場。 偶然出会った４人はチームを組んだ。 しかし、気づけば４人ともが僧侶。 回復系の呪文しか使えない。 攻撃にめっぽう弱い集団だ。 自分たちには何ができるだろう？ ４人ができるこ…Read More »