さんざん絞ったり捻ったりしたが―― 底にはまだ残っている様子だ。 捨ててしまうには惜しい。 振り回せば出るだろうか？ 揉みほぐせば？ いっそハサミでちょん切って、底からほじくり出してやろうか。 「よし、なんとか出せたぞ」…Read More »

それは人気の肉料理屋の工場潜入番組での出来事。 「ここから先は企業秘密なんですよ」 「そこをなんとか！」 と、その時だった。 何も知らない従業員が扉を開けた。 「え!?」 そこにはベルトコンベア。 無数の人間が横たわって…Read More »

ある主婦がベランダで洗濯物を干していると、西の空に浮かぶ物体が。 「ＵＦＯかしら？」 その物体は主婦のもとに高速移動してきた。 見たことのない生物が中から姿を現した。 「僕と結婚してください。ぜひ我が惑星に！」 ベランダ…Read More »

「あんた、もうちょっと包み込むようにできないの？」母ちゃんが叫ぶ。 お決まりの親子喧嘩だ。 「母ちゃんこそ、ゴツゴツと主張が激しいんだよ」 男はピタッと手を止め、それに耳を傾ける。 「次こそはちゃんとしなさいよ！」 「母…Read More »

「なぁ、空を見てみろよ」 「今日は満月だな」 「まるで猫の目みたいだろ？」 「言われてみれば」 「それも夜に光る猫の目だ」 友人は頷く。 「実は月って宇宙の目なのさ。地球が宇宙法を犯さないか、ああやって監視してる」 「ま…Read More »

「地球以外の惑星には、生命体が存在しないと思う？」 友人は頷く。 「果たしてそうかな？」 「え？」 「超高速移動していて人間の目じゃ捉えられない。宇宙はそんな生命体で溢れ返ってるとしたら？」 そう言うと男は瞬時に姿を消し…Read More »

地下鉄の雑踏の隅。 若い頃から男はそこに腰掛け、靴磨きをしてきた。 男が磨けば汚れた靴もピカピカ。 新しい旅に出る靴をたくさん見送ってきた。 「さぁ、終わるとするか」 すっかり年老いた男の体力は限界に。 今日が最後と決め…Read More »

日が暮れ、今日も夜が更ける。 辺りは真っ暗になり、僕は眠る。 深い眠り。 そして、夜が明ける。 夜が明ける?! 夜が……明けない。 世界は真っ暗なまま。 ひと筋の光も差さない。 その日から僕は闇をさまよい続けた。 いつも…Read More »

彼と別れて、一度は赤の他人に。 やっぱり彼が忘れられず復縁。 交際は赤信号なく順調に進み、彼と結婚することに。 どうやら彼とは赤い糸で結ばれているようだ。 結婚式では彼、酔っ払って顔が真っ赤っ赤。 マイホームでのふたりの…Read More »

それは街を歩いているときに起こった。 目の前から歩いてくる男。 そいつは俺だった。 いや、実際には、俺そっくりな男。 向こうもそれに気づいたらしく、目を丸くしている。 次の瞬間、俺たちの身体は何者かにつまみ上げられた。 …Read More »