わたしは何のために生きているのだろうか。 その答えを見つけたくて、男は自問自答を続けた。 人生を謳歌することも、妻を迎え入れることもなく。 ひたすらに答えを求めた。 「あっ」 その生涯を終える間際、ついに答えに辿り着いた…Read More »

男が交番に駆け込んできた。 「妻が連れ去られたんです！」 男の悲壮な訴えに警察官も前のめり。 「犯人を目撃されたんですか？」 「はい！　男に連れ去られました」 「特徴は？」 「高身長で高級外車に乗った男です」 「他には？…Read More »

「へぇ。君の家ではヤギを飼ってるんだね」 初めて自宅を訪れた友人が珍しがる。 「ただ、こいつを飼うのにお金がかかってねぇ」 「ヤギだから紙を食べてれば満足なんじゃないの？」友人がからかう。 「紙は大好きなんだけど――」 …Read More »

「最近、太った？」 「白い服着てるからじゃなーい？」女は答える。 「そろそろダイエットしたほうがいいと思うよ」 「今日はたまたまだって。白い服着てるからさぁ」 「たまたまかなぁ……」 「白は膨張色っていうでしょ」女は得意…Read More »

目の前に人間が倒れ伏した。 どうやら飢えた旅人のようだ。 食材が尽きてしまったのかもしれない。 彼を助けなきゃ。 「僕を食べてください！」 そう言いながら身を差し出した。 旅人は貪るように食べる。 しばらくすると旅人は悶…Read More »

「逮捕する」 突如現れた警察に、男は手錠をかけられた。 「なんで？」 「思想罪だ」 犯罪を未然に防ぐため、人間の脳内は監視されはじめた。 良からぬことを考えれば、一発で逮捕される。 男は刑務所にブチ込まれた。 数日が経ち…Read More »

「ふふふ。ついにやったぞ」 博士は不死身の体を手に入れた。 まるで世界を征服した気分だった。 しかし―― 大規模な核戦争が起こり、多くの命が奪われた。 追い打ちをかけるように、未知のウイルスが世界を襲う。 気づけば地球に…Read More »

もう疲れてしまった。 女は覚悟を決め、辞表に筆を走らせる。 いろんな思い出が蘇ったが、それ以上に楽になりたかった。 目の前で飯を食う男に辞表を突きつける。 「辞めさせていただきます！」 「え？」 その日から妻は完全に辞め…Read More »

世界的に有名なストリートアーティストが、ある民家の外壁にグラフィティを残した。 注目の名画として。 しかし、家主の老人はそれを快く思わなかった。 黙々と外壁の名画を消す老人に、通行人は言った。 「価値のある絵をなぜ？」 …Read More »

前から歩いてきた与太者と肩がぶつかった。 「やい！　どこ見て歩いてやがるんだ！」 ヤツは因縁をつけてきた。 市場からの帰り道。 妻から頼まれた買い出し。 急いで帰らなければ。 「肩がイカれちまったぜ。治療費を払えよ」 厄…Read More »