「タイムマシンは発明されないよ」 「なんで言い切れるんだい？」 「だって、仮に未来で発明されているとしたら、時間旅行者が現代に訪れてもおかしくないだろう？」 「確かになぁ。でも、タイムマシンの発明どころか――」 「なんだ…Read More »

秘境の村を訪れた旅人。 露店を巡っていると、衝撃的なものが目に飛び込んできた。 食材を売る店先に並んでいるのは、人間の生首。 「これは……」 「見ての通りさ」浅黒い顔をした店主は言う。 別の日、再び露店の前を通ってみた。…Read More »

まだ幼い子供が、父に尋ねた。 「人は殺しちゃダメなんだよね」 父は言う。「時と場合によるんだ」 「どんな時だって人は殺しちゃダメだよ」 子供は父をとがめる。 「仕方がないんだ」 「そんなことない！」 父を睨みつける子供。…Read More »

夕食時に睡眠薬入りのワインを飲ませた。 何も知らず眠る彼。 彼が小柄でよかった。 女は椅子から彼の体を引きずりおろすと、柱まで運んだ。 用意してあったロープを手に取る。 そして、彼の体をグルグルに縛りつけた。 それを見て…Read More »

古本屋で見つけた小説。 読了目前で男は発狂した。 「最後のページが破られてる！」 古本屋を探し回ったが、絶版のため見つからない。 仕方なく自身で物語のラストを書き上げた。 男が小説家になったきっかけだ。 古本屋で自身の本…Read More »

受験を控える女子高生。 大学に落ちないよう、ジンクスを信じた。 落ちるものを避けて生きる。 落ち葉も見ない。 オチがつくからと、お笑いも見ない。 万有引力？　リンゴすら見なかった。 受験当日。 指定された教室へと向かう。…Read More »

『ちょっと言い回しを変えようかな』 モニタに文字が表示されていく。 『あっ、それは表示しなくていいんだよ』 続けて文字が表示される。 男は不満げに舌打ちした。 考えたことを文字として入力できる思考入力デバイス。 余計な思…Read More »

子供がセピア色の写真を見て尋ねる。 「なんで廊下に立たされてるの？」 「昔はね、騒がしい生徒は廊下に立たされたんだよ」 「ふ～ん」 次の写真を見て再び尋ねる。 「なんで先生が廊下で授業してるの？」 それはねぇ……思わず苦…Read More »

「ダラダラしてるだけでお金が貰えると聞いたもので」 無気力な男が履歴書を手に椅子に座る。 「では、来週から来てください」 簡単な契約書を交わした。 宇宙人が地球に住むようになって久しい。 この度、動物園が開園する。 さま…Read More »

男は月末の請求書を見て、ため息をついた。 「今月も支払いが多いなぁ……」 友人は心配そうに尋ねる。 「そんなに請求がくるのかい？」 「あぁ。大半が家屋や建物損壊の支払いだよ」 「悪と戦う場所を、山奥にでもしたらどうだい？…Read More »