解答用紙に赤ペンが走る。 目の前で答え合わせされると、さすがに落ち込む。 想像以上に不正解が多い。 「間違いが多いですねぇ」 「はぁ……」 「正しい選択ができなかったのでしょうか」 「まぁ……」 「間違いだらけの人生です…Read More »

将来が不安だなぁ。 博士は自分の老後を憂いボヤいた。 晩年を不自由なく過ごすため、博士は介護ロボットを開発することにした。 しかし、開発は難航。 苦戦した博士は、ますます老いることに。 「これはマズい……」 開発できるま…Read More »

サンタクロースがテクテクと歩いてくる。 「あれ？　トナカイはどうしたんですか？」 サンタはニッコリ微笑んで言う。 「言うこと聞かないから置いてきたんだよ」 今年はプレゼントを届けるの大変ですね――と言い残した。 それ違い…Read More »

大道芸人の彼は自慢のパフォーマンスを披露した。 なんと、彼の身体が地面からフワッと浮き上がったのだ。 「すごいだろ？」 「あぁ、確かにすごい」 ところが――彼は言う。 「大道芸だけじゃ、なかなかメシが食えないんだ」 そん…Read More »

「ＳＮＳのこの投稿は削除してください」 俺は男の指示に従う。 「あっ、これもマズいですね。削除でお願いします」 実に頼もしい。 彼は地雷を除去する専門家。 将来、どこで炎上するかわからない。 「奥様に隠れてお付き合いされ…Read More »

目の前で友人がいきなり回転しはじめた。 「おいおい、急にどうしたんだい？」 友人は回りながら言う。 「地球って太陽の周りを回ってんだろ？」 「ああ」 「地球自身も回ってる」 「ああ」 「そして、俺も回ってる」 「まぁ、そ…Read More »

彼はついに城を建てた。 どこまでも続く広大な海を臨む城。 吹く風は強く、旗をなびかせている。 「ついに天下を獲ったぞ！」 彼は空に向かい雄叫びをあげる。 しかし、栄華も束の間。 無残にも落城することに。 敵は海から攻めて…Read More »

建前ばかりの世界はもうまっぴらだ。 人間不信に陥り、男は嘆いた。 そこに神が現れ言った。 「本音しか存在しない世界に変えて差し上げましょう」 男は歓喜した。 礼を言う男に神はある物を差し出す。 「これは何でしょう？」 「…Read More »

「おい！　目を覚ませよ！」 全身を震わせて叫ぶ。しかし、反応はない。 「おい！　いつもみたいに歯向かってこいよ！」 普段なら叫ぶ俺に抵抗してきた。 何度も叫ぶ俺を、拳で殴ることすらあった。 そんなお前と向き合ってきたんだ…Read More »

「バックミラーを見ると、後部座席に髪の長い女が座ってましてねぇ」 タクシーの運転手は声を潜めて語る。 「気づくとなぜか、墓地の前に車をつけてまして―― その女は、車を降りて墓の方へ歩いて行ったんですよ」 想像すると背筋が…Read More »