スケ透け見えちゃうメガネ ついにその商品は、やってきた。 『スケ透け見えちゃうメガネ』 ヤマダは通信販売の郵送用ダンボールを衝動的に破ると、中からそのメガネを取り出した。 「これが、スケ透け見えちゃうメガネかあ」 あるマニアックなポルノ雑誌の表3…Read More » Posted on 2013年10月19日 by admin Categories: 妄想するショートショート
この町、最後の夜に 「美沙!いよいよ明日引っ越しやなあ」 「そうやで!まだまだやと思って余裕ぶってたけど、あっという間や。ほんま淋しいわ」 近所のファミレスでドリンクバーのコーヒーを飲みながら、どこまでも話は尽きない。 美沙は明日、この町を…Read More » Posted on 2013年10月13日 by admin Categories: 妄想するショートショート
天国へのパスポート まるで真空状態の中にいるかのような、その空間。その中には一本、揺るぎなく真っ直ぐに、上へ上へと伸びる階段がある。 男はその階段をゆっくりと昇っていく。なぜ昇っているのか、理由もわからず、時間の感覚も失ったまま、ただただ階…Read More » Posted on 2013年10月5日 by admin Categories: 妄想するショートショート
大秘宝は恋心 毎日、おんなじことの繰り返し。ほんとに退屈で、イヤになる。何かおもしろいこと、ないかなあ。何かおもしろいこと…。 タケルは部屋の中、自分の机に向かいながら、目の前に置かれたコミックのページを、パラパラ漫画のように無造作に…Read More » Posted on 2013年9月28日 by admin Categories: 妄想するショートショート
サナギから蝶へ ハロー 退屈な毎日 世界の大きさを 君の知ってることや聞いたことや学んだことで 決めることは、退屈な人間のやることさ ハロー 退屈な毎日 キラキラした未来が 待っていないことや用意されていないことを 嘆くなんてことは、退…Read More » Posted on 2013年9月16日 by admin Categories: 陰鬱の夕べ
未来天秤 薄暗く入り組んだ商店街の一角に、その占いの店はあった。知美は友人からの勧めで、その店を訪れてみることにした。 電車の路線を二本乗り継ぎ、降りた駅からはバスに乗り込む。辿りついた商店街は、昔の闇市の風情が残った、昭和の面影…Read More » Posted on 2013年9月15日 by admin Categories: 妄想するショートショート
罠と唇 そこは某所のバー。埃っぽいピアノジャズが流れる落ち着いた店内に、男と女は、いた。 「こうしてあなたと話ができること、とても嬉しく思うわ」 「そう言っていただけると、光栄だな」 カウンターに並び、抑えた声で言葉を交わす。 …Read More » Posted on 2013年8月24日 by admin Categories: 妄想するショートショート
ジャマハゲ 「悪い大人はいねぇか?」 「悪いことをしてる、悪い大人はいねぇか?」 鬼の面をグワッと被り、ケラミノ、ハバキを身にまとい、大きく鋭い出刃包丁を片手に持った、ジャマハゲがやってくる。 鬼気迫る形相と怒声、悪いことをしている…Read More » Posted on 2013年8月4日 by admin Categories: 妄想するショートショート
オルゴールメッセージ 少女の細い指が、金属製の筒に音符を刻んでいく。愛でるようにオルゴールを包み、優しい手つきで、そっと丁寧に、ぜんまいを回し、奏でられる曲を確かめる。 この森で人知れずオルゴールを作る少女。 薪や落葉を貯めておくそれよりも、…Read More » Posted on 2013年7月28日 by admin Categories: 妄想するショートショート
閉ざされた町 「ここがM町か…」 俊平は山間のその町に降り立ち、静かに建ち並ぶ家々の間を歩きながら、町の様子を眺めた。 M町はまもなく、国の失態が生んだ重要な秘密を隠蔽するために、居住禁止区域に指定され、人の存在しない町になってしまう…Read More » Posted on 2013年7月20日 by admin Categories: 妄想するショートショート