小説の執筆に集中するあまり、部屋は散らかり放題。 人工知能を搭載したお掃除ロボットを購入してみた。 ゴミを認識すると片っ端から掃除してくれる。 「よし！　原稿が仕上がった」 筆を置いた瞬間、ロボットが声を発した。 『物語…Read More »

デニムパンツを手に女は試着室に入る。 「試着されましたらお声がけください！」 履き終え声をかけると、カーテンが開かれた。 女は目を疑った。 そこは華やかに照らされたランウェイ。 数万人の観客。 女の名前がアナウンスされる…Read More »

万引きして逃げる女を、スーパーの店長が捕まえた。 「盗んだものを出しなさい！」 女は怯えながら膨らんだバックを店長に差し出す。 「牛肉に玉ねぎ、人参、じゃがいも。カレーでも作ろうと思ったのかね？」 女は小さく頷く。 「だ…Read More »

僕は死んだら星になって、キラキラ輝くあの星の隣で輝きたいんだ。 それが彼の夢でした。 みんなは彼の夢を叶えるために空の工事を進めました。 空を見上げる子どもたちの目には今、新しく輝く星の姿が。 町のみんなに愛されたプラネ…Read More »

私が柴崎に抱かれるのは、完全にお金のため。果たしてそうだろうか──？ 「今日は天気が良かったから、近所を散歩してきたよ。チラッと繁華街にも寄れたし、体調は良くなってきてると思うな」 味噌汁をかき込みながら、タケルが嬉しそ…Read More »

じいさん！　川上から桃が流れてきたんですよ！　中にはきっと桃太郎が。これで鬼ヶ島の鬼も退治できそうですね！ いかん！　ワシは桃が大嫌いなんじゃ。今すぐ川に戻してきなさい。 爺は怒りで顔を赤らめた。 次の日。 爺に助けられ…Read More »

ワシはこの道、60年のベテランじゃ。 仕事は何かって？ やまびこ、じゃよ。 登山者が「やっほー」と叫んだら、山のこっち側で「やっほー」と返す、あれじゃ。 あれはワシが声真似して叫んどるんじゃ。 最近の悩みは何かって？ 山…Read More »

この粉を振りかければ、どんなものでも修復が可能！ 商業施設の片隅。数人の客を前にエプロン姿の男が実演している。 男は目の前で割った陶器に粉を振りかけた。 陶器は元通りに。 お客さん！　何か修復したいものは？　実演してみせ…Read More »

近ごろ、晴れた日がない。 だって、お日さまが顔を見せないんだもん。 便利になるって皮肉な話だね。 あの日から、ずっとだ。 人類が空を移動できるようになったあの日から。 空飛ぶ車が大渋滞。 無数の車が渋滞して空を覆うから、…Read More »

男は黒いグリップを握りしめる。 ダンジョンから脱出できるかどうかは自分の判断にかかっている。 生きて出られるかは分からない。 怖気づくな。己の未来を見ろ。 意を決し、行く先を告げる。 右。 右。 上。 今のところ順調だ。…Read More »