名探偵 島の隅々を調べたが、誰も見つからなかった。 島にはイカダを作る木もない。 近隣の島まで泳いで行くことは不可能だ。 だとすると──。 男は辺りを睨みつけて言った。 「犯人はこの中にいる」 心地いい波の音と鳥たちの鳴き声。 …Read More » Posted on 2019年6月20日2019年6月20日 by admin Categories: ベリーベリーショートショート
秘宝 それは絶対に手をつけてはならないとされている秘宝。 手をつけた者には雷が落とされるとまで言われた危険な宝。 彼は魔の誘惑に負けた。 扉を開くと冷気が漏れ出し、光が彼の顔を染める。 そして、彼はついにそれに手を伸ばした。 …Read More » Posted on 2019年6月19日2019年6月19日 by admin Categories: ベリーベリーショートショート
オーラがない ドームの地下は迷路みたいだ。 いま来た通路のはずなのに。 俺を待つファンの声援が聞こえる。 まずい、ステージまでの道が分からない。 アンコールに間に合わない! 通路を駆け抜け、突き当りの扉を適当に開ける。 そこは観客席。…Read More » Posted on 2019年6月17日2019年6月17日 by admin Categories: ベリーベリーショートショート
ひとり暮らし 彼は実家を離れ、ひとり暮らしをはじめた。 自由に生きてみたかった。 ひとりで暮らすには広々とした生活。 誰からも干渉されることがない。 人間関係にも疲れていた彼は、アクセスがとても不便な場所を選んだ。 「ひとりは最高だな…Read More » Posted on 2019年6月15日2019年6月15日 by admin Categories: ベリーベリーショートショート
存在感 「お前ってほんと存在感ないよな」 幼い頃から言われ続けたそのセリフ。 何をやっても誰の印象にも残らない。 彼はコンプレックスを抱き続けた。 ある日、街を歩いていると周りの視線が突き刺さった。 え? 俺、目立ってる? 喜ぶ…Read More » Posted on 2019年6月14日2019年6月14日 by admin Categories: ベリーベリーショートショート
干ばつ 干ばつに悩むある国に、行商人の男が訪れた。 彼は人々に傘を差し出し説いた。 「これはファッションのために持つものだ」 見たこともないカラフルな道具に、人々は歓喜し傘を広げた。 ある日、雨乞いの祈りが天に届き、大雨が降って…Read More » Posted on 2019年6月13日2019年6月13日 by admin Categories: ベリーベリーショートショート
麒麟 「動物園で唯一、嫌いな動物がキリンやねん」 これまでの人生で何度も吐き捨てたセリフ。すべてはアイツのせいだ。この世で俺が唯一、嫌いな人間。俺の親父。 「おう。えらい背、大きなったなあ」 雑踏の中から押し出されるように現れ…Read More » Posted on 2019年6月12日2019年6月12日 by admin Categories: 妄想するショートショート
お掃除ロボット 小説の執筆に集中するあまり、部屋は散らかり放題。 人工知能を搭載したお掃除ロボットを購入してみた。 ゴミを認識すると片っ端から掃除してくれる。 「よし! 原稿が仕上がった」 筆を置いた瞬間、ロボットが声を発した。 『物語…Read More » Posted on 2019年6月12日2019年6月12日 by admin Categories: ベリーベリーショートショート
演出 デニムパンツを手に女は試着室に入る。 「試着されましたらお声がけください!」 履き終え声をかけると、カーテンが開かれた。 女は目を疑った。 そこは華やかに照らされたランウェイ。 数万人の観客。 女の名前がアナウンスされる…Read More » Posted on 2019年6月11日2019年6月11日 by admin Categories: ベリーベリーショートショート
アドバイス 万引きして逃げる女を、スーパーの店長が捕まえた。 「盗んだものを出しなさい!」 女は怯えながら膨らんだバックを店長に差し出す。 「牛肉に玉ねぎ、人参、じゃがいも。カレーでも作ろうと思ったのかね?」 女は小さく頷く。 「だ…Read More » Posted on 2019年6月10日2019年6月10日 by admin Categories: ベリーベリーショートショート