旅先で訪れたその国は、争いを知らない国。 疲れ果てた旅人を快く招き入れてくれた。 友になったフレッドが言う。 昨夜、男に妻を寝取られた。 どうすればいい？ 僕に尋ねる。 僕は怒りに任せ叫んだ。 殴り飛ばせ。 あの日からフ…Read More »

人生初の経験。 娘さんを僕にください。 ちゃんと言えるだろうか。 軽い挨拶を済ませ、居間で彼女の父と対面する。 勇気を振り絞る。 「娘さんを僕にください！」 彼女の父はなぜか不敵な笑み。 「君の隣にいるのは俺の妻なんだ」…Read More »

ある女の客がヘアサロンを訪れた。 スタッフたちは笑顔で迎え入れる。 本日はどのように？ 女優のＳみたいにして欲しいの。 仕上がりを見た女は激怒した。 どこがＳなの!?　ヨソでやってもらうわ！ でしたら、オススメがございま…Read More »

近ごろ村へ来る観光客が増えた。 これは儲かる。 一寸法師の友人である男は水上タクシーをはじめることにした。 船出の日。 岸で手を挙げる観光客の姿。 船を寄せると、鼻を摘み逃げてしまった。 次の客もその次の客も。 男は気づ…Read More »

多額の借金を抱えた男の前に神が現れた。 ひとつだけ願いを叶えてやる。 男は機転を利かし「何度でも願いが叶うようにしてくれ」と願った。 それは無理だ。 男は納得した。 「借金をチャラにしてくれ」 無理だ。額が大きすぎる。 …Read More »

惑星視察団が地球に舞い降りた。 生存に適している場合、地球の乗っ取りも計画されていた。 「住みやすそうな星だ」 「悪くない」 口々に地球の環境を称えた。 しばらくすると、体の不調を訴える者が現れた。 最終的には全員が体調…Read More »

入院中の妻より先に旅立つことに。 もう見舞いにも行けない。 そうだ。 メールを予約投稿しよう。 僕のメッセージが未来まで妻に届くよう。 彼の妻の臨終が迫る。 ずっと気づいていた。 それが予約メールだと。 夫の優しさに溢れ…Read More »

深夜業務を終えた男は、ひとり峠の道に車を走らせた。 徹夜続きの毎日。疲れ目で視界が霞む。 ふとバックミラーに目をやると、車体の上にしがみつく若い女の姿が映っていた。 興奮して語る男の話に耳を傾けていた彼の友人は涼しい表情…Read More »

目の前に男が現れた。 俺は20年後の未来から来たお前自身だ！ 急な展開に腰を抜かす。 背後から別の男が顔を出す。 俺は13年後のお前だ！ 俺は９年後！ 最終的に20人もの自分が立ち並んだ。 昨夜、バーで知り合った女とは付…Read More »

天気予報のウソつき──。 美琴は降り出した雨の中、急ぎ足でコンビニに向かった。店頭に置かれたシェアリング用の傘は１本だけ残っていた。 端末リーダーにスマホをかざす。ベルのような効果音が鳴り、ロックが解除された。 「よかっ…Read More »