今宵も聞こえる、あの鳴き声。 「それにしてもよく吠えるもんだ」 男は小さく呟いた。 「この世は弱肉強食だからなぁ」 負けっぱなしじゃ終われないだろう。 男はソファから立ち上がり、出かける準備をした。 待ってろよ、極上のリ…Read More »

目が覚めたら、シロになっていた。 飼い主の美里は俺の頭を撫でながら、「じゃあ、行ってくるねッ！」と言い残し、マンションの部屋を後にした。って、何で俺がシロに!? なぜこうなってしまったのか。理由はわからないが、姿見に映っ…Read More »

出て行ってよ！ 女はヒステリックに叫んだ。 もう、ここには来ないで！ 二度と姿を現さないで！ 女は皿を放り投げ、壁に当たって砕け散る。 憑依されたように金切り声をあげる。 追い払い終えた女は、全ての体力を使い果たし、床に…Read More »

ここを曲がれば駄菓子屋が。 しかし、一角はタワーマンションに変わっていた。 諦めて次のスポットへ。 ここはバンドで練習してたスタジオだったんですが。 そこには立派なビルが。 思い出の場所を巡る番組。 焦るディレクター。 …Read More »

「奥さんと親密な関係になり、内情を聞き出しますよ」 男は妻の浮気を疑い、探偵に相談した。 ある日、妻が男に相談する。 「ストーカーに狙われてるの──」 男は探偵の失態に腹を立てた。 後日、男の元に調査結果が届く。 ＜心配…Read More »

意気消沈した男は足元を見た。 ＜借金を背負う＞ 文字が目に入った。 すごろく!? そうか、既に運命は決まっているのか。 男は４歩先を見た。 ＜美女に出会う＞ 胸を躍らせる男。 意気揚々とサイコロを振る。 出た目は２。 ク…Read More »

不況が続く日本。 笑えない状況が続く。 政府は暴動を恐れ、ある政策をとった。 脳の中枢神経の働きをマヒさせ、笑いたくなる。 そんなドラッグの使用を許可した。 嫌なことを忘れ、人々は笑いあった。 そんな中、ひっそりと姿を消…Read More »

街に巨大な怪獣が出現。 その時、宇宙からヒーローが舞い降りた。 恐れ慄いた怪獣は、何もせずそそくさと退散。 死傷者はわずかで済んだ。 「死傷者!?」 防衛軍の隊長は叫んだ。 「怪獣の暴挙は防げたんじゃないのか？」 隊員は…Read More »

この線を越えると、大変なことになるぞ。 悪魔は囁いた。 大きな鎌を持った悪魔が俺を嘲笑する。 少しでも線を越えると、お前の首をかっ切るからな。 窮地に立たされたことを自覚した。 祈るように電卓を叩く。 が、無情にも数字は…Read More »

女は芸能事務所の社長に悩みを相談した。 「私、催眠術にかからなくて……」 番組に出演しても演技で乗り切っているという。 社長はその演技力の高さを買い、彼女に女優の仕事を与えた。 「思惑通りですね」 社長は肯く。 催眠術師…Read More »