そうか。 奴らも大変なんだな。 自粛。 延期。 キャンセル。 いつも浮かれて騒いでるのに、姿を見ないからおかしいと思ったんだ。 そういう理由があったのか。 仕方がない。 頬を赤く染めて陽気に騒ぐ。 そんな姿を見たいから。…Read More »

スマートフォンを片手に、写真共有アプリを眺める。そっかぁ。可奈子って海外旅行中なんだ。超美味しそうなイタリアン。歴史的な建物。現地の爽やかな男たちと肩を組む可奈子のピースサインを眺めながら、チャイティーのカップを口に運ぶ…Read More »

〈宇宙に巨大プール建設〉 主要国の発表に、「宇宙でリゾート気分が味わえる！」と国民は興奮した。 そう思ったのも束の間、追加の情報が発表された。 宇宙に飛び立つのは人間ではない、と。 やがて、無人のロケットが地球から飛び立…Read More »

この扉の向こうに王妃が眠っている。 あとは扉を開く呪文を唱えるだけだ。 これで彼女を救える。 あっ！ 勇者は呪文をド忘れしてしまった。 記憶を辿り、試してみる。 失敗。 もう１度。そしてもう１度。 「異なる呪文が３回唱え…Read More »

電車の到着を告げるアナウンスが鳴り響く。 「僕は銀河へと帰るね」 手を振る少年。 少女の目には涙が溢れた。 ホームに電車が滑り込み、少年は背を向け歩き出す。 「あっ」 到着した電車は通勤特急。 仕事を終え、銀河に帰る乗客…Read More »

女は愛おしそうに呼びかけた。 ねぇ。 返事がない。 悪い予感が胸を突き刺す。 ──もしかして、さよなら？ ねぇ、聞いてる？ 甘えた声で呼びかけても返事がない。 いつもそばにあった声。 いなくなったの？ 死んじゃったの？ …Read More »

サバイバルを生き抜くオンラインゲーム。 のめり込み、少年はプレイし続けた。 敵に打たれぬよう。 レアな武器を見つけられるよう。 茂みに姿を隠し、生き残りを目指す。 向こうに敵の姿。 心拍数があがる。 その時だった、頭に痛…Read More »

「寝るのって心地いいね」 坊やは母に言いました。 「でも、ぼく思うんだ」 「なに？」と、ほほえみかける母。 「たとえ睡眠が心地よくても、起きればまた学校や仕事が待ってる。何もなければもっと最高なのになぁ」 坊やの頭を撫で…Read More »

何度やってもうまくならない。 近づいてシュートしても決まらない。 フォームを変えても上達しない。 手から離れ、美しい弧を描くが、またしても外してしまった。 心が折れそうだ。 投げ出したくもなる。 でも諦めない。 絶対にう…Read More »

マスターは苦心して、料理の味を改良した。 若い女性客たちが訪れる。 料理を前にスマホを取り出す女性客。 角度を変え撮影しまくる。 ＳＮＳに投稿するために。 どんどんと料理は冷めてゆく。 投稿が終わり料理を口にすると「超お…Read More »