紅(あか)い海にて 時計の針が反対方向に進んで、そして、みんなが全くその事に気づかない。そして、その微(かす)かな変化は全世界の人間全てに何も影響を与えない。そんな変化を見てみたい。なぜか、時計だけが音もなく反対方向に進んでいく。知っている…Read More » Posted on 2012年12月31日 by admin Categories: 息つぎのないプール
アタシの彼氏は 「その時なー、アタシの彼氏めっさかっこよかってん!」 「いつもはわがままやし、外に遊びに行くんもダルがってめっちゃムカツクやつやねんけどな。」 「浮気とかされた事もあんねんでー。」 「信じられへんやろー!」 「浮気された…Read More » Posted on 2012年12月31日 by admin Categories: 息つぎのないプール
花のある風景 十月六日、大阪にアホがおった。そのアホはグレルことも悪ぶることも出来ないアホやった。でも、アホは夢を見るのが好きやった。寝てる時に見る夢も、起きてる時に見る夢も好きやった。そんなアホもハタチを過ぎればさすがに人生を考えた…Read More » Posted on 2012年12月31日 by admin Categories: 息つぎのないプール
親友の枠 今までいろんな人間と出会って、いろんな人間と話して、いろんな人間を好きになって、いろんな人間とぶつかって来た。 いろんな人間を見てきたし、いろんな人間とすれ違って、いろんな人間と別れ、いろんな人間を傷つけてきた。 いろん…Read More » Posted on 2012年12月31日2012年12月31日 by admin Categories: 息つぎのないプール
自白 男は冷や汗をかいている。 そう、昨晩、付き合っている女性に、浮気の現場を目撃されてしまった、かも知れないからだ。その「かも」が曲者で、本当に目撃されていたかどうか確認しないことには、もし万が一、知られているにも関わらず、…Read More » Posted on 2012年12月2日 by admin Categories: 妄想するショートショート
ビネガー・アバンチュール 「早苗クン、今日も美味しいお茶をありがとう」 自席に座り、ズルズルと音をたててお茶を飲む部長の杉田。杉田にお茶を入れるのは、早苗の日課だ。今日も変わらず、お茶を出す。ただ、いつもと違っているのは、そのお茶には、あるお酢が…Read More » Posted on 2012年10月17日2013年6月2日 by admin Categories: 妄想するショートショート
September Dream 今日で、九月が終わる。 美咲とは今日で会えなくなる。永遠に会えなくなる。なぜその運命は美咲を選んだのだろうか。美咲とは今日で永遠に会えなくなる。永遠に。 僕は美咲との最後の日に、Aという港町で会うことにした。理由は特にな…Read More » Posted on 2012年10月17日2013年6月2日 by admin Categories: 妄想するショートショート
オレンジメニュー 「ねぇマスター、なんでここのバーのメニューには、黒いパネルの中に、何枚かオレンジのパネルが混じってるの?」 男はカウンターに座り、オンザロックを飲みながら、マスターに尋ねた。 「これはですね…」 カウンター…Read More » Posted on 2012年9月21日2012年9月21日 by admin Categories: 妄想するショートショート
穴を埋める あれから5年、ぼくはずっと、大きな穴を埋めている。 くる日もくる日も、ずっとずっと、大きな穴を埋めている…。 ぼくは不思議な力を手に入れた。それは、自分で自分にゲームを課し、その結果、たった一…Read More » Posted on 2012年9月20日2012年9月21日 by admin Categories: 妄想するショートショート
知ってる、この感じ。 え? 知ってる、この感じ。前に見た。まただ…。 田上京子は、ここ最近、デジャヴ、いわゆる既知感に頻繁に出くわす。 初めて訪れる場所なのに、なぜだか既に知っているような感覚、懐かしいような感覚。初めて触れる物…Read More » Posted on 2012年8月30日 by admin Categories: 妄想するショートショート