アートが僕のことを喰らいついて来た。 内臓のちょっと左の部分。 喰らいつかれた瞬間に僕のココロは、   「ヴィジュアルジャンキーズ」   アートの牙が突き刺さった。 瞳の奥と、ココロの隙間。 血も涙も…Read More »

盲目の少女が手に取ったのは、赤色のクレヨン。机の上には真っ白なスケッチブック。その左手は微かに震え、今目に映るものを描写しようとする瞬間。 一人暮らしの部屋の中にはポスターも、ポストカードはおろか、ぬいぐるみさえも無い。…Read More »

目の前に無表情に置かれたビールジョッキ。店内の風景は何処にでもあるような居酒屋の作りそのものと言った感じ。時間は十時半くらい。いや、もう少し夜もふけている頃かも知れない。マスターは相も変わらず、暇そうな店内をウロウロする…Read More »

「あんたは正直イイ奴やで」 「自分ではまだ気づいてないかも知れんけど」 「俺はホンマにエエ奴やって思ってる」 「最高のヤツやって思ってる」 「そう、食べ物に例えるとすれば」 「焼肉に例えるなら」 「ユッケみたいなヤツやな…Read More »

「あのさー、今度めっちゃイイ場所連れてったろか？」 「どんなトコ？」 「まずは、立ってるだけで自由を感じれる丘とか、あっ、でもかなり怖いで。そこは。だって、地上からだいぶ高いトコにあるからさ」 「あとは何処に連れてってく…Read More »

結局、言葉は山ほど用意されてるけど、言いたいのはたった一言。   「あんたに出会えて良かった。」   「ほんの一瞬しか共有でけへんかったけど、後悔も何も無い。」   「あるのは感謝の気持ちだ…Read More »

昨日仕事を辞めました。僕にはやっぱり普通の世界が合わなかったみたいです。せっかく結婚とか、社会的地位とか、順々に運んで行きかけていたんですけど。心底疲れたみたいです。なので、許してくれなんておこがましい事は言いません。た…Read More »

繋がりってどんな言葉？それってウソ？繋がりって素晴らしいものじゃないの？どうなんだか教えて下さい。繋がりながら傷つけ合うって事もあるんですか？非常に美しいもののように感じますけれども。   あなたと繋がっている…Read More »

悲しみがまだちっぽけな存在だった頃、人々は肉や魚を自由に喰らって過ごしました。まだ、塩なんて物が重宝される以前のお話。はっきり言って、頭の中は、からっぽ。それこそ、欲望のままに、欲望に正直に生きていました。戦争なんて言葉…Read More »

僕の目の前を行くミラクルマンは急にこう言った、   「君もミラクルマンになりたいんだったら、何処までも私の後をついて来なさい。」   そう言って、ミラクルマンは両腕を空に向けて伸ばした。 次の瞬間、ミ…Read More »