ある画家の生涯

「ダメだ! 筆が進まぬ!」

ある画家は吠えた。

今の世には憂うことがあまりにも多すぎる。

こんなにも混沌とした世はかつてなかった。

混濁した色彩が彼の脳内を支配する。

結局彼は、生涯でひとつの作品も残さなかった。

孤独を抱え、苦悩したまま、画家の寿命は尽きた。

真っ白なキャンバスを前にしたまま。

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