女はある食堂に足を踏み入れた。 「ウチはメニューがひとつしかなくてねぇ」 店を出るわけにもいかず、女は席についた。 「ちょっとよろしいかな?」 目を閉じるよう促すと、店主は女の額に手をかざした。 何かを読み取っているようだ。 しばらくして定食が配膳された。 女はそれを口にする。 「お母さん……」 Posted on 2020年10月11日2020年10月11日 by admin Categories: ベリーベリーショートショート