閉じた踏切の前に、ひとりの老人。 男は気になり声をかけた。 「踏切が開くのを待っているんじゃ」老人は言う。 「もう何十年待ったか。すっかり年老いてしまった」 すると、声をかき消すように列車が訪れた。 列車は老人の前で停車。 開かずの踏切が開く。 <天国行き>と書かれた列車に、老人は乗り込んだ。 Posted on 2020年6月21日2020年6月21日 by admin Categories: ベリーベリーショートショート