食堂

「あの爺さんは、タダ飯食えるのかい?」

客のひとりが訝しがった。

「あの爺さんは、ミュージシャン志望でねぇ」

「ほう? どう関係が?」

「この食堂の先代が、爺さんに言ったわけです――

売れるまではタダ飯食わせてやるって」

「ごちそうさん」と言い残し、老いた男がギターケースを担いで店を後にした。

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