ある夜、男の元に悪魔が現れた。 「人間よ、交渉だ」 男は恐怖に震えた。 「お前の望むものをやろう。ただし条件がある──」 緊張で唾を飲む男。 「お前の記憶と引き換えだ」 男はそれを聞くと安堵し、「どうぞ」と答えた。 「記憶が惜しくないのか?」 「恥ずかしながら、つまらない人生を歩んできたもので」 Posted on 2020年3月15日2020年3月15日 by admin Categories: ベリーベリーショートショート