「人間一生忘れたらアカンもんの一つや二つ持っとかなアカンで」
「それは多ければ多いほどイイけど、少なくても誇れるもんやったら全然構わん」
「ツライ時はそれに寄りかかればイイし、楽しい時には隠れとる」
「たったそれだけの存在」
「でも、忘れたらアカンで」
「みんな成長して行くけど」
「今居る自分は、恥ずかしかったあの時の自分の延長上に立ってる」
「もちろんカッコよかったあの日の自分の延長上でもある」
「もっと感謝したろ」
「媚(こ)びる事とはちょっと違う」
「ましてや戻られへん時間に在るものやし」
「戻る事はリスペクトじゃない」
「無心やった頃の自分に誇れる?」
「あいつに誇れる生き方出来てる?」
「たぶん怒るで」
「あん時の自分は」
「褒めたらナルシスト?」
「自分褒めたらナルシスト?」
「みんながそう言うんやったらそれでもイイ」
「ナルシストだろうが何だろうが、おかまいなし」
「頑張ってるから悲しいし」
「頑張ってるから悔しい」
「上手く行けへんのもそのせい」
「欲張りやから傷つくし」
「見栄っ張りやから肩もこる」
「休む事は負ける事じゃないし」
「泣く事が恥ずかしい事でもない」
「泣く時に胸貸してくれるヤツ、よーさん見つけや」
「ホンマはみんな泣きたい」
「いっつも泣いてたい」
「でも、カッコつけて生きたいからそうは行かん」
「苦しい時でも笑ってしまう」
「大声で自分のイイとこ十個ゆってみ」
「なんか恥ずかしいやろ?」
「なんか小声になってしまうやろ?」
「なんでやろ?」
「なんでかな?」
「心の奥ではもう、十個以上もイイとこ見つかってるのに」
「声に出すと照れくさい」
「それが負けず嫌いの証拠」
「それが人間の証明」
「いつか言えるようになる?」
「なってみる」
「気持ちイイで」
「えっ?分かってるって?」
「ヤりたい自分と、ヤれない自分」
「心の中に二人居るようで、でも一人の人間」
「漫才以上に面白いし、落語以上に演技もしてる」
「心の正体あばいたれ」
「よく明日があるとか、夢は絶対叶うとか、耳にするやん?」
「でも、そんなん思った事ない」
「明日なんかあるかどうか分からんから楽しいし」
「明日がけーへんかもって思うから今日頑張るやん?」
「夢だってそう」
「叶うか叶えへんか分からんから追い求める」
「初めから叶うん分かってる夢なんか夢じゃないと思えへん?」
「みんな、より所間違ってる思うわ」
「頼りになるんは誰やろな?」
「守ってくれるんは誰やろな?」
「映画とか音楽とか恋人とか、ましてや親友とか」
「そんなんやっぱりアテならへんで」
「今感じてるんは誰かな?」
「自分って言う他人?」
「それは面白い発想」
「結構好きな発想」
「折れへんように、サビやんように」
「ぶっといモンぶち込んだろうぜ」
「せっかく生まれたアンタが一人」
「今ここで苦しんでる」
「だから自然は誰かからのプレゼント」
「あの世では、生を受けるん順番待ち」
「生きやなアカンの誰やろな?」
「運命背負(しょ)ってる責任感、ビシビシ感じや」
「くだらん事、ぎょーさん言ったけど」
「分かって欲しいんはたった一つ」
「でも、あえて言いません」
「だってイジワルやから」
「絶対言いません」
「自分もそれ気づくのに二十分くらいかかってもうた」
「アンタも見つけや」
「良かったらメガネ貸すし」
「観やすなったらはよ見つけ」
「ちっちゃいちっちゃいプライド見っけ♪」