「真実を伝えていい?」 男は伏し目がちに言った。 「なに?」 「実は俺、死んでるんだ」 「どういうこと?」 「君の目の前にいる俺は──霊ってこと」 呆然とする女。 「もう消えなきゃならない」 「イヤだ! 離れたくない!」 「じゃあ、ついて来てくれる?」 女は潤んだ目で頷く。 男の手が女の首にかけられた。 Posted on 2019年10月8日2019年10月8日 by admin Categories: ベリーベリーショートショート