僕みたいな凡人――将棋の駒の歩のような人間でも、

真正直に努力を続ければ、必ず成り上がれる。

決して人を欺かず、人を惑わせず。

そしてたどり着いたと金のチャンス。

僕は駒を裏返す。

「あっ!」

周囲から僕はこう呼ばれていた。

裏表のない人間。

裏返した駒の木地には、何の文字も彫られていなかった。

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