そこは月明かりすら差さない山奥の荒れ地。 男が一心不乱に穴を掘る。 その姿はまるで何かに取り憑かれたよう。 穴が深くなり、もはや男の姿は地上からは見えない。 男が手を止め呟いた。 「あれ? 死体はどこだ?」 穴に隠すべき死体が見当たらない。 「そうか……」 男は一気に気力を萎ませた。 「死体は俺か」 Posted on 2019年9月4日2019年9月4日 by admin Categories: ベリーベリーショートショート