「あぁ! 実に暑い、暑すぎる!」 作家は苛ついていた。 新作が書けない焦りもあった。 外は蝉が騒ぎ、余計に神経を逆撫でた。 強にセットされた扇風機がギシギシと音をたてる。 「お前がもっと冷さんからいけないんだ!」 あまりの剣幕に怯えた扇風機。 作家の言うことをきかんばかり、思わず首を縦に振った。 Posted on 2021年7月19日2021年7月19日 by admin Categories: ベリーベリーショートショート