扇風機

「あぁ! 実に暑い、暑すぎる!」

作家は苛ついていた。

新作が書けない焦りもあった。

外は蝉が騒ぎ、余計に神経を逆撫でた。

強にセットされた扇風機がギシギシと音をたてる。

「お前がもっと冷さんからいけないんだ!」

あまりの剣幕に怯えた扇風機。

作家の言うことをきかんばかり、思わず首を縦に振った。

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