ある日、クラスメイトがいなくなった。 前触れもなく彼は姿を消した。 「西園寺くんは、お空の向こうに行ってしまったんだ」 先生は僕らにそう言った。 幼い僕らはその言葉からぼんやりと事態を察した。 火星に暮らす権利を得た上級国民 ――彼が選ばれし家庭の子だったと知るのは、ずいぶん後のことだった。 Posted on 2020年10月30日2020年10月30日 by admin Categories: ベリーベリーショートショート